糖尿病にはなぜインスリンが必要なのか
こちらの記事でグルコースとグルコーストランスポーターについて解説しました。
要約するとグルコース(糖分)を吸収するためにはグルコーストランスポーターが必須だという内容でした。
今日は糖分の吸収調整、なぜ糖分の調整にはインスリンが出てくるのか、という部分を解説します。
グルコーストランスポーターとインスリン
グルコーストランスポーターは細胞にグルコース(糖分)を送り届けるだけではありません。
それぞれの細胞に最適な糖分量が送り届けられる、調整機能を持っています。
その調節機能を指令する物質がインスリンです。
インスリンは脾臓(ひぞう)から分泌されています。
分泌されたインスリン量によって、グルコーストランスポーターがグルコースの放出・貯蔵のバランスを調節していきます。
つまり、インスリンもしくはグルコーストランスポーターの異常が起こった場合、糖分が放出され続け血糖値が常に高い状態になってしまします。
これが糖尿病です。
7種類のグルコーストランスポーター
グルコーストランスポーターには細かく分けるとSGLT、GLUTの大きく2種類があります。さらにSGLTは1と2に2つ、GLUTは1〜7までの7つに分けられています。それぞれの番号で働きが異なっています。
このうち糖尿に主に関わってくるのはSGLT1とSGLT2。
腎臓の近位尿細管で働いています。
腎臓では尿が作られますが、これらのグルコーストランスポーターの働きにより、老廃物が尿となった時点で、ほぼグルコースが含まれていない状態になります。
しかし血中のグルコース(糖分)が増えすぎると、グルコーストランスポーターの働きでは追いつかなくなり、尿中に溶けこんでしまいます。さらには血液にも溶け込みます。
糖尿とは尿だけではなく、血中糖分も高くなることで体の不調となります。糖尿とは体全体の糖分以上の目印なのです。
医者の受診と継続的な改善
糖尿の改善はまずは医者の受診が必要です。
糖尿病は生活習慣に大きく関わります。自分の知識だけで改善しようとするのは非常に危険で、悪化する場合があります。
先生から指示された食生活、生活パターンで生活改善をする必要があるでしょう。もちろん症状が改善したあとも、暴飲暴食すればすぐにまた糖尿病になってしまいます。
常に意識して継続的な生活改善が必要です。
民間療法ではありますが、ゴーヤは糖分吸収をおだやかにするといわれています。
ゴーヤにはチャランチン、そして植物インスリンという物質が含まれています。チャランチンは血糖を下げる働きのあるホルモンで、さらにインスリンの分泌を促すとされています。
食物インスリンは名前が示すように、体内のインスリンに近い働きをすることでグルコーストランスポーターの働きを正常にしていくとされています。
糖尿になった人はゴーヤ料理に挑戦する人も多いようですが、1本近く食べないと効果は非常に薄いといわれていますから、さすがに毎日はムリでしょう。ゴーヤが苦手な人は1食も食べられないかもしれません。
そういう時はゴーヤを濃縮したサプリを試す人も多いようです。錠剤なら毎日飲むのも苦ではないでしょうし、食事とともに使用することで継続して改善していけるのなら助かりますね。
もちろん料理につかうメインの砂糖をてんさい糖に変えることも良い手段だと思います。